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使いやすく美しくエコなものづくり

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今回の箱は、 姫路で皮革製品の製造販売をされているノーノーイエス株式会社様の商品発送用ケース「お届け箱」です。

メインテーマは『大きさの異なる複数の箱をできるだけ簡単な作業でピタッと固定すること』になります。

さらに、単なる発送ケースではなくお買い物の満足度を高めてくれる箱を目指していきます。

 


 

◆包装にもエコな意識を

 

ノーノーイエス株式会社姫路STUDIO様では、ロングウォレット・ショートウォレット・カードケース等様々な革製品の製造をされています。

これまで使われていた市販品の発送ケースは、商品に対し少し大きいのでプチプチ等ですき間を埋めて商品の梱包をされていました。

 

畜産の副産物である革製品は非常にエコな素材なのに、その梱包に環境負荷の高いプラ素材を使わざるを得ない状況を今回のご相談を機に改善したいとお考えでした。

それは封をするガムテープさえ省きたいという徹底したご要望でした。

 

また、財布やカードケースは年末年始のホリデーシーズンと、新生活が始まる春に注文が集中します。

そんな大忙しの時にはプチプチを決められたサイズに切る、丸める、すき間に詰めるといった細かな作業は作業者ごとに仕上がりの差が出かねない部分です。

 

そこで、どんなに忙しい時でも、スタッフの誰もがキレイに梱包出来ることも一つのテーマとなりました。

商品を収める化粧箱はA~Dの4種類あり、単品の時もあれば複数同梱される場合もあり、いかにこれらを箱の中で動かないよう固定するか、箱屋の腕の見せ所です。

 


 

◆折り方を工夫してすき間をゼロに

 

緩衝の基本的な方向性として、横方向は敷きパットで、上下方向は内フラップで行うこととしました。

化粧箱D以外の3つは縦と厚みがほぼ近い値でしたので、敷きパットにそれぞれの横幅に合わせたフラップや折り目をつけることで横方向の動きを止めます。

 

内フラップは折り方を変えることで3段階の高さ(深さ)調整ができ、どんな組み合わせの時にでも上下方向のガタ付きを抑えられるようになっています。

送り状をガムテープ代わりにして封をすればプチプチもガムテープも一切使わずにすき間ゼロの梱包が完成します。

 


 

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◆心地よい購入体験を演出するグラフィック

 

ここまで、構造面のお話をしてきましたが、この箱の面白いところはそのグラフィックにあります。

財布やカードケースといった商品は進学や就職、引越しなど人生の節目、門出の時に大切な人に(もちろん自分のためにも)気持ちを込めて選び贈る特別な買い物である場合が多いと思います。

 

そうした特別な品を買う、贈る、という体験を発送ケースを通じても演出したいということから発送ケースとしては豪華なオフセット4色印刷+ニスで生産することとなりました。

豊富な製品ラインナップが見られたり、レザーのケア方法のリンクに飛べるようにといった細やかな心遣い、遊び心が盛り込まれています。

 

コロナ禍(初回のご注文はコロナの真っただ中でした。)で店頭での購入機会が減りお客様との接点が減る中で、このケースがお客様と接する販売員の役割も果たしてくれたと言えそうです。

初回納品の際には、新パッケージを紹介する動画を作ってくださいました。

https://youtu.be/xpvqMQ2Ab34?feature=shared

 

これまで、3回デザイン変更がなされ現在は4代目です。

2nd Verは、満月の日ごとに新作がリリースされるキャンペーンを月の軌跡で表現。

 

3rd Verは、一番人気のオーロラ柄を全面に。

最新の4th Verは、姫路STUDIOで心を込めて製品を作り上げるスタッフの方々の似顔絵イラストとなっています。

 

今では年に数回の入稿を待つのが担当者としてのささやかな楽しみの一つとなっています。

 


 

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◆少ないことは豊かなり

 

ノーノーイエス様で最も人気のある所作シリーズhttps://www.shosa.tokyo/の魅力の一つに、一枚革を、一本の糸も使わず、折りだけで、財布という複雑な構造のものを作り上げる点にあると思います。 

 

できるだけ少ない材料で最良なものを作ることは、今回の箱の設計にも通ずるところがあり、同じものづくりをする人間としてシンパシーや憧れを感じます。

 

ということで私の手元には、気づけば4つも所作がいたりします。

 


 

◆最後に

 

わたしも含め、次はどんな製品が来るのかと楽しみにされているノーノーイエスファンの方も多いかと思いますが、発送ケースにまで思いを込めるホスピタリティや意識の高さにこれからも刺激を受けながら末長くお取引を続けさせて頂ければ嬉しい限りです。

 

それではまた。

 

 

K.Yamamoto

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